何とかなるさ!何とかしなくちゃ!?

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純正カムチェーンテンショナー仕組みと手動調整

純正のオートなのにオートでない(笑)!カムチェーンテンショナーについて、です。手動調整する際の手順と注意点等です。

 

 

- はじめに -

注意点です。

整備マニュアルには、「手動によるカムチェーンの張り調整」なんて書かれていません!再組付けの際も、あくまでも圧縮されたバネによる、オート機構に頼った組付けのみが紹介されています。

カムチェーンの張りすぎによって、各部メタルに負荷がかかり、メタル焼き付き!とか最悪はカムチェーン切れでエンジンブロー!!も考えられると思います。ので、判断は慎重にしなければならないと思います。

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仕組みから

と、言っても、ものすごく単純なものですけど・・・

↓ イメージ図です。グレーの太線はカムチェーンです。

 

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クランクケース側に1点止めされた ( ここを軸に動く ) チェーンガイドがあります。このガイドを後ろから押して、伸びたカムチェーンのテンションを張るんですね。っで、後ろからガイドを押すのですが・・・。

 

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↑ イメージ図です。

テンショナーユニット内には、圧縮されたバネが仕込まれています。そのバネの力を利用して、可動式の棒を送りだします。カムチェーンがゆるんだ分だけ棒が出てくるんですね。

可動式の棒にはギザギザが刻まれていて、そのギザギザを抑え込むように爪がセットされています。可動式の棒は、刻まれたギザギザと爪によって、通常時はチェーンガイドを押す側にしか動かないようになっています。

※意図的に爪を持ち上げることで逆方向 (棒を引っ込める) にも動かせます。

 

なんで手動調整するの?


新車時からのカムチェーンの初期の伸びは、オート機構による圧縮されたバネの対応範囲にあるので、オート機構が成立し、自動でカムチェーンの張りを調整します。しかし、その後何ピッチ目からかは分りませんが(笑)!圧縮バネの力ではカムチェーンガイドを押し切れず、手動で調整しなければならなくなる・・・のだと思います。
カワサキ的には、「内蔵されているバネは、カムチェーンがより良い張り調整になるように、最適な物が選定されています。」・・・となるのでしょうが、「ユニットをエンジンにつけたままバネを抜いて、細い棒でギザギザ棒を押し込むと〇ノッチ入った」等の記事を読むと、やはりバネの力では限界があるのでは?と思ってしまいます。

目いっぱい圧縮され、力をフルに蓄えたバネ ( 新車時のバネ ) と、圧縮・力を開放されたバネ ( 数ノッチ出た後のバネ ) とでは「押し出す力が違ってくるのではないか?」ということです。

 

それでは作業開始です。

ユニット中心にある2面幅12㎜のボルトを外します。

現状 (オートによるギザギザ棒の出代) を把握するためです。

圧縮されたバネが組まれていますので飛ばされないように注意して外します。

※こちらを先に外さずにユニットごと外してしまうと、ギザギザ棒の先に何もない状態となり、バネの力で棒がめいっぱい押し出されてしまいます。

② バネが見えますので抜き取ります。

③ 2面幅8㎜のボルトを外します。ユニット本体をエンジンに取り付けるためのボルト・上下2本です。

2本のボルトを交互にゆるめながら外します。

④ ユニット本体をエンジンから外します。

現状でのギザギザ棒の出代を計測しておきます。「んっ?何ノッチだっけ??」にならないようにノギス等による計測のほうが間違いないと思います。1ノッチ出して計測、その状態のユニットを所定の位置に押し付けます。

 - 追記 -

↑ 緑の文字で書かれたところを追記しました。(20.7.21)

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チェーンガイドを押している抵抗を感じて!ください。

整備マニュアルには書かれていない民間療法 ( 療法じゃないな?) です。

 

何㎜で!とか何㎏で!

は無いのです ( ´∀` )!

 

ガイドを押している感じがないのならもう1ノッチ出して計測、その状態のユニットを所定の位置に押し付けます。

ガイドを押している感じが強く感じるのならもとに戻して・・・です。

ギザギザ棒は、押さえている爪を浮かすことで戻せます。

  

 - 追記 -

下のリンク記事の内容です。ギザギザ棒を、オートに頼った現状から、はじめは2ノッチ出して組んだのですが、当時の私の判断で1ノッチ出しにして組みなおした経緯を書いています。エンジンにユニットを押し付けた際の隙間の写真も載せています。参考にしてください。くれぐれも張りすぎる事がないように注意してください。( '20.6.17 )

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koh-rokunana.hatenablog.com

 

ガイドを押している抵抗感に納得できたなら逆手順で組付けです。

カバーの矢印が上を向くように組付けです。

 

 

 

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作業を行う際はすべて自己責任でおねがいします。